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2018年5月 9日 (水)

WFFS続報2

 アメリカからじわじわ波紋が広がりつつあるWFFS(仔馬/胎児馬の致死的遺伝病)問題ですが、ヨーロッパでもアメリカにならって所有のスタリオンに遺伝子検査を行うスタッドが出始めました。

 

 記事によると、オランダ有数のスタリオン・ステーションVan Uytertでは繋養する種牡馬すべてに遺伝子診断を実施中だし、乗用馬&ポニーの協会(オランダ温血種協会とは別)では登録しているスタリオンには検査を新たに義務付けた由。かのグロックも、トト・ジュニア号(オランダで16年度の人気ナンバー1スタリオンになった)はじめすべてのスタリオンに検査を行いつつあるそうです。

 先日、エヴァーデール号(WFFSのキャリアと判明)の娘との間の産駒がWFFSの症状で産まれ、キャリアの濃厚な容疑がかかっているトータルUS号(父トーティラス)は、つい2ヶ月前にグロックが先述のVan Uytertから購入したもの。この検査で疑惑が明らかになりますな(トータルがグロックに売却された理由のひとつに、思ったより種付け数がふえなかったから、というのが挙げられてたけど、今にして思えば…)

(後記:欧州でもブリーダーに大人気だったエヴァーデールが、海を渡って北米で繋養されるに到った、というのも、今にして思えば…?)

(後記2:日本時間の5月10日、KWPN(オランダ温血種協会)は、すべての供用可能なKWPNのapproved stallion(ふつうのlicenced stallionより一格上の種牡馬、有名・人気種牡馬は大概そう)に遺伝子検査を行う、と発表しました。格上といってもその頭数は膨大な数だし、オランダ国外にいるものも多数に上りますが、これらも検査されるのかな…)

(後記2−1:同日のユーロドレッサージュには、approved stallionではなくlicenced stallionとなっていました。後記2のニュースはオランダの馬術雑誌Hoefslagのオンライン版(オランダ語)をグーグルの自動翻訳(英語)にかけて読んだもので、ユーロドレッサージュの記事もその翻訳と似たりよったりだけど、この部分が違う。licenced stallionとなると、さらに大変な頭数に上るはずだけど、どちらが本当なのかな〜)

 ところで、このVan Uytertと業務提携しているのが、トーティラスを所有しているので名高いドイツのショッケモール。こちらはドイツ有数のスタリオン・ステーションだけど、オランダの提携先とは違い、こちらのスタリオンは「WFFSはドイツではまだ起きていない」ので検査はしない意向(もっとも、Uytertと共有しているスタリオンは、そちらで検査されるだろうけど)。その他のドイツのステーションは、「近日検査の予定」というのが多いみたい…この腰の重さには、この記事にもあるように、所有スタリオンがキャリアと判明した時の”経済的影響の大きさ”への懸念、そこから生じる”WFFSへの過小評価”が原因をなしているのが大きいだろうな…さすがにドイツは勘定高い。もっとも、その気になって探せば、ドイツでのWFFS発生例もしくは疑惑の件くらいは見つかりそうなものだけど。

(後記3:というか、WFFSは実際の被害よりもいわゆる「風評被害」が馬産地にとっては深刻なんじゃ?)

 最近、オリンピック・ホースを買い込んだりしてドレッサージュ界で鼻息の荒いデンマークは、大体において日和見の姿勢みたい。デンマークの2大スタリオン・ステーション、ブルーホースは「来週検査の予定」、ヘルグストランドは「ルールが整備されてから検査する」由。ブルーホースはともかく、デンマーク温血種協会が今月初めに出したWFFSに関する声明が、以前オランダ温血種協会が出したもののそっくり同じコピーだったというのだから、やる気のなさは歴然^^;

 なお、アイルランドではWFFSへの関心は非常に高く、というかスタリオンや牝馬・仔馬への遺伝子検査の歴史が前(2009年)からあったもので、当然WFFSもこれからその対象になる、とのこと。アイルランド温血種協会は2年前からKWPN(オランダ温血種協会)とパートナーシップにあるということで、KWPNの豊富なデータベースや何かを利用して、馬産国として成長したい意志がアリアリ。

 イギリスの反応は記事中になかったけれど、ドレッサージュ・ホースの自国での生産が数年前にようやく始まって間もなく、今がもっとも意気に燃えているころだろうから、早速対応手段を取る方針じゃないかな〜

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