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2018年6月30日 (土)

ワース&ベラ・ローズ号、復帰!

 今じゃイザベル・ワースのトップ・ホースはウェイヒゴールド号(現13歳、リオ・オリンピックのチーム金、個人銀メダリスト、その他にもいろいろ受賞)というのが常識だけど、今から4年前、ゴールドが出てくる前は、このベラ・ローズ号が断然その地位にいちばん近い、とは衆目の一致していたところ。ベラ・ローズは当時10歳の新進気鋭の牝馬で、GP経験もまだそれほど豊富ではなかったのだけれど、その年の世界選手権(WEG)でワースの乗り馬として出場し、GPで2位(1位はシャーロット&ヴァレグロ)になって、ドイツのチーム金メダルに貢献した馬。

 世界選手権であるからして、順位・採点は例のごとく政治的裁量の産物ではあるけれど、ベラ・ローズの才能に関しては疑いなく、間違いなくこれからが楽しみな1頭だったのだけど、このWEGをGP以降棄権?して、その後競技会に1度出たきり、ぷっつり姿を消してしまった…

 負傷が原因ということだったけど、いちど去年復帰のうわさがあったにもかかわらず、やっぱりそれっきりになっていたから、あるいはもう繁殖に上がったのかもと思っていました。が、さすがにワースというか、先日のオーストリアでのCDIで4年ぶりのカムバックを果たしました!

 ワースが出場予定なのはわかっていたのだけれど、騎乗馬にベラ・ローズというのは、どうやら直前で決まった(ドン・ジョンソンから差し替え)もよう。演技(GP)はどうだったかというと、私は見ていないけれど、ユーロドレッサージュの記事によれば「ミスはなかったかもしれないが、パーフェクトというには程遠い」デキだった由。それでもワースは退場の時に涙ぐんでいたそうで、よほどにカムバックできたことが嬉しかったんでしょうな…何せ4年ぶりだから、当分慎重にゲームを選んでくるだろうけど、このまま無事にいってほしいもの。

(今思えば、復帰戦ならドイツでもよかったろうに、わざわざ国外のオーストリアのCDIを選び、しかもぎりぎりまで出場を伏せていたというのは、よっぽど騒がれたくなかったからかしらん。ちなみにこのCDIは、クリスタルで有名なスワロフスキー・ファミリーがスポンサーで、ワースとドロシー・シュナイダーはこのスワロフスキー夫人のドレッサージュのコーチの由…そうそう、関係ないが、ジャンプ界現ナンバー1のハリー・スモルダーはあのビル・ゲイツの娘のコーチだそうな。)

(追記:後のユーロドレッサージュの記事によると、このベラ・ローズのビデオと復帰の記事を見るためにアクセスが殺到して、一時競技会のウェブサイトがパンクしたというから、このコンビがヨーロッパ(てかドイツ?)で異常に注目されていることが察せられる。わざわざオーストリアでカムバックしたというのも、そのへんの事情があるのかな。)

 ウェイヒゴールドというすでに実績もあればより若くもある騎乗馬がいながら、ワースがそんなにベラ・ローズの復帰に喜んだというのは、私の憶測だけど、ゴールドはそもそもワースのお手馬じゃなく、もともとはワースのアシスタントさんとペアを組んでた馬だから…たまたまリオの年にワースがGPで乗って、高得点を出したものだから、そのままワースのオリンピック・ライドになり騎乗馬になってしまった。ワースのスポンサーがオーナーからゴールドを買い取ったのだけど、この時オーナーとひと悶着があったと聞くし、アシスタントのブッフワルトさんはその後ワースの厩舎を去っている…まあ表向きではすべて円満解決したようなニュースばかりだったし、実際そうだったかもしれないが、随分ドロドロしたものが背後にあったとしても(ワースはそのつもりがなくても、オリンピックとなると国のメンツがかかるのだから)おかしくない状況ではあった。

 私の見るところ、ふつうワースのようなベテラン・ライダーは、すでにGPに他人とのペアで出場していた、いわば”出来合い”の馬にまたがるようなことはない。たいがい初級・中級から自分が手塩にかけてきた馬(報酬をもらって他人の馬に調教をつけるのはライダーのいわば生計)から選んで乗るもので、だから実際のところ、ワースにとってウェイヒゴールドは異例中の異例…いかに素晴らしい実績を共に挙げてきたとはいえ、いわば行きがかり上乗ることになった出来合いの馬よりも、ずっと自ら調教をつけてきたお手馬のほうに愛着がわくというのは、ワースのような年季の入った職業ライダーにはありそうなこと、しかもその馬(ベラ・ローズ)が「生涯最高の馬」と自分に言わせるほど才能があり、それがようやくケガを克服して競技の舞台に帰ってきたのにおいておや。

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