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2018年6月 6日 (水)

WFFS続報6

 デンマーク温血種の人気種牡馬、Skovens Rafael号(14歳)がWFFS(Warmblood Fragile Foal Syndrome)のキャリアであることが発覚しました。

 ↑記事の写真は、ラファエル号の父・ブルーホース/グロックス・ロマノフ号。

 ラファエル号は有名な人気種牡馬で、相当な数の産駒を出しており、後継種牡馬もすでに出している。この後継種牡馬の1頭が、「WFFSの検査は、ちゃんとしたルールが出来るまで行わない」と声明しているアンドレアス・ヘルグストランドのステーションに繋養されているスプリングバンクⅡ号。FBでも最近まで広告宣伝していたな…

 これで、スタリオン全頭のWFFS検査に腰が重かったデンマークも、ちょっと変わってくるんじゃないかな。

 ラファエル号も、デンマークのステーションのひとつに繋養されているんだけど、どうやらオーナーが自主的に所有馬に検査を行ったもよう(ブルーホースのように)。結果、ラファエルともう1頭の馬―この馬も父ロマノフだけど、グロックの検査によると、ロマノフ自体はノンキャリア―がキャリアだと判明したわけ。

 なお、スタリオン3頭がキャリアだとわかったブルーホース・スタッドでは、いったん供用を取りやめていたこの3頭の供用を、条件付きで再開しました。交配する牝馬がWFFSのキャリアではないことがその条件(WFFSは変異遺伝子が2個そろった時に発症する遺伝病、発症すると仔馬の皮膚・関節に致命的脆弱性をもたらし、多くは流産となるが、まれに出産に到っても致命的症状で産まれてくるので安楽死させるより他ない。キャリアは、この変異遺伝子を1個持っている馬のこと。キャリア同士の交配は、25%の確率で発症を、50%の確率でキャリアの誕生を招く)。

 キャリアとわかっていて、それでも交配を望む人がいるものかなと不思議にも思われるけれど、もともと競技馬には去勢した馬が非常に多い(もとスタリオンが、去勢してスポーツに転向する例も少なくない)のだし、最初からスポーツ目的で配合するのなら、キャリアであることはそう気にならないのかも。オリンピックの金メダリストなんて、去勢馬(騙馬)ばかりだし。キャリアと正常馬との交配なら、正常な子供が産まれる確率は50%あるしね。

 そういえば、昨日かおととい、目下の検査段階ではハノーヴァー種のWFFSキャリア数パーセンテージが、他の温血種馬に比べてかなり高い(全頭数の20%)という記事を見ました。ハノーヴァーはドイツ原産で、ドイツはデンマーク同様スタリオンのWFFS検査に及び腰だから、検査対象となった頭数はたいへん少なく、よってこの数字は馬種の傾向としては鵜呑みにはできないと言えますが、しかしその少数の検査でこれだけキャリアが見つかったという事実は注目すべきだと思います。デンマークも、自主的に検査したステーションごとに、3頭とか2頭とかキャリアが見つかったというのは、けっこうな高パーセンテージを示唆している。今後の両国の動向を注視するべきですな。

(追記:↑の記事は6月3日付けのオランダの馬術雑誌Hoefslag(オンライン版)に掲載されてました。挙げられていた表を貼っておきます。
https://www.dehoefslag.nl/wp-content/uploads/2018/06/tabel-wffs.png
WFFS per stamboek, bron: UC Davis Veterinary Genetics Laboratory

サラブレッドにも存在するというのは意外だった…)

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