« ロンドンデリー、WFFS陽性発覚 | トップページ | ハノーヴァーWFFS血統一覧(仮) »

2018年10月15日 (月)

あやしいハノーヴァー種

 ドイツのスタリオン・ステーションに繋養されているハノーヴァー種(ドイツ原産の馬種、主に馬術用)の有名スタリオンにとうとうWFFSが発覚したばかりの折も折、ユーロドレッサージュで「素晴らしいハノーヴァーの血統の歴史」みたいな長大な記事が掲載されました。今度行われるハノーヴァーのライセンス取得試験に向けて、みたいなスタンスだけど、どう考えても「ハノーヴァーの血統には気をつけろ」的警告にしか見えない。

(WFFSは遺伝病のひとつ、キャリア同士の交配で25%の確率で新生児に致死的身体異常をもたらす。今春アメリカでニュースになり、その後欧州でも騒がれて、オランダやスウェーデンは登録スタリオンの強制検査を敢行したが、デンマークは書面の注意のみ、ドイツはほとんど無視を決め込んだ。FEIの兄弟組織であるWBFSHはというと、12月の国際会議まで問題を棚上げ(だから組織としてはまだほとんど何もしていない)。今ごろドイツが検査を始めたのは、この12月の会議が念頭にあるのでしょう。)

(なお、日和見デンマークでも、ブルーホースやヘルグストランドのような有名スタッドは自主検査と結果の公表をしています(後者は最初無視の構えだったが)。しかしドイツではショッケモールはじめほとんどのスタッドが今だに知らんぷり。「牝馬を検査してから配合すればいいだけの話」というスタンスです。)

 私もいくらかWFFSが発覚したハノーヴァーやその血統の入ったスタリオンの血統表をネットでいじってみました。

まず、ユーロドレッサージュの記事によると、ハノーヴァーのブラッドラインは、

1.古いオリジナル血統(Eライン、Dライン、Gライン。馬名の頭文字にそれぞれE、D、Gがつく。なお、始祖の頭文字を産駒につけるのは他の血統でも同じ。) 
2.第二次世界大戦後、導入された血統 
3.古い血統をベースにした新しいオリジナル血統 
4.近年他種から導入された血統
 の4つらしく思われる。これは主にスタリオンの出入りから分けたもので、実際は複雑に入り混じってると思うけど。

 2.にはトラケナーやサラブレッド、4.にはホルスタインやフランス産馬がよく見られる由。

 キャリアの発生したブラッドラインの根幹馬、その番号、そして判明したキャリアの名を挙げると、

・Lauries Crusador(3)…Londonderry, London time, Blue horse Londoner(この3頭は親、子、孫)。ほかBlue hors Emilio、Don Index、Sarotti Mokka Sahne 。

・Calypso II(4、父はセルフランセ、自身はホルスタイン)…Connaisseur、Balou Peggio、Chivas、Comte、Edward、Total US(3代母の父が直子Contenderの子)。この系統はジャンプの名スタリオンも出しており、ジャンパーも検査することになったら、えらいことになりそうです。

・FriosoⅡ(4、フランス産サラブレッド)(遠祖なのであいまいだが)…Don Romanov、Skovens Rafael、For Sure、Guardian S

・Pic As(2、サラブレッド)(これも遠祖だが、孫くらいになると近い)…Don Vino、Skovens Rafael、Botticelli、Connaisseur、Blue hors Veneziano

 ついでに、オランダ温血種でのキャリアに多い(Kossはヘルデルラント種だけど、オランダ温血種のライセンスを持ってる)のは、

・El Corona(ホルスタイン)…Apache、Habanna、Koss、Everdale。Guardian SはEl Coronaの母父Dolto(トラケナー)が、ReginoにはEl Coronaの父Amorが入ってる(どっちがシロかクロかわからない→ガーディアンSにはフリオーソ2も入ってるから、ドルトはシロかな?)。

(あと、トラケナーだけどConsulもあやしいかも。これ以外に、キャリアのDon Fredericoに思い当たる血筋がないし、キャリアのDon Vinoの母の父がこれ)

 遠祖たちは、根幹種牡馬みたいなものだから、どの馬をたどっても行き着く、という部分もあり、疑いをかけるには根拠が薄いんだけど…むしろ他馬と交配されたその子や孫の血統がアレなのかもしれない。あと母馬の姉妹関係とかも気になる。

 ハノーヴァーの交配は、かなり近親交配が目立つ…ドナホールなんて、へたすると一頭に3回くらい入っちゃう。健康によくなさそう…(ドナホールがキャリアだったらすごいことになるだろうけど、しかしまだ可能性は排除できないな。)

 もう少しキャリアが公表されたら、あやしい候補を絞れるのだけど。なお、ハノーヴァーの歴史的血統について興味のある人はこれをどうぞ。
 ついでに、まだ発表はないが、まずキャリアと思われるスタリオン。
 
・Contendro、Conteur、Continue、EmbassyⅠ…前三者は頭文字でわかるようにCalypsoⅡの子孫たち。EmbassyⅠはEライン出身だけど、祖母の父がCalypsoⅡ。
大種牡馬だけに、遺伝力が強いようです(しかも重宝されて、全兄弟とかもいっぱいいるみたい)(カリプソ2の父もキャリアだったみたいだが、これがまた遺伝力が強く、また重宝されてて…(´Д⊂グスン)…

|

« ロンドンデリー、WFFS陽性発覚 | トップページ | ハノーヴァーWFFS血統一覧(仮) »

WFFS関連」カテゴリの記事