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2018年10月14日 (日)

ロンドンデリー、WFFS陽性発覚

 今春ブリーディング界で大騒ぎになったWFFS(温血種仔馬脆弱症候群)問題ですが、オランダやスウェーデンが国を挙げてスタリオンの検査を行ってウェブ上でその結果を公表したのに対し、徹頭徹尾無視を決め込んだドイツ、その有数のスタリオン・センターであるツェレ国立スタッドでこのほどようやっとWFFS検査が行われ、人気スタリオン・ロンドンデリー号(23歳、父ローリーズクルセイダー)をはじめとする5頭が陽性であることが発表されました。

 ツェレ国立スタッドは、国有としてはドイツ最大のハノーヴァー種のスタリオン・ステーションの由。キャリアが判明したなかで、ロンドンデリー号とロンドンタイム号は父子関係。さらに、デンマーク有数のスタリオン・センターであるブルーホース・スタッドが6月に自主検査でキャリアを公表した3頭のうちの一頭、ブルーホース・ロンドナー号はロンドンタイム号の産駒です。ロンドンデリー号は2013年度のハノーヴァー種スタリオン・オブ・ザ・イヤーで、当時の登録産駒数は2000頭を上回るということ。

 ツェレでキャリア判明したなかのもう一頭の有名種牡馬・ドン・フレデリコ号(21歳、父ドナホール)は2012年のハノーヴァー種スタリオン・オブ・ザ・イヤー。12年当時で登録された産駒は2500頭以上、そのなかにはヤングホース世界チャンピオンも含まれています。

 ハノーヴァー種のスタリオンは、何となく他種と隔絶されているような感じがあり、たとえばブルーホース・ザック号なら「デンマーク温血種だな」、ヴィヴァルディ号やアパッチ号なら「オランダ温血種だったっけ」とすぐ見当がつくのですが、ロンドンデリー号は名前は聞いたことがありながら、ハノーヴァー種とは知りませんでした。オランダで大人気のスタリオン・トトJr号は、父はオランダ温血種のトーティラスながら母方の血統はすべてハノーヴァーで、自身もハノーヴァー種。トラケナー種ほどではないけれど、ハノーヴァー種も相当血統仲のハノーヴァー濃度が高くないと、ハノーヴァーとして認定されないのかもしれません。

 今春、いろいろな馬種別にWFFSの罹患率を調べた結果を見たことがありますが、ハノーヴァーは目立って罹患率が高かったです。まあ、そのデータは調査した馬の絶対数がとても少なかったので、あまり参考にはならないかもしれませんが、言い方を変えれば、そんな少ない調査数だったにもかかわらず罹患馬が見つかったということで、実際はほんとうにハノーヴァー種のWFFSキャリア数は他と比べて多いのかもしれません。もしそうなら、上に述べたような閉鎖的な血統登録が原因かもしれませんね。

 くだんの表。

https://www.dehoefslag.nl/wp-content/uploads/2018/06/tabel-wffs.png

 ハノーヴァー(Hanoverian)と、ハノーヴァーと本質的には同じと言われるウェストファーレン(Westfalen)が1位、2位なのがどうもね…

 …今、過去記事を見直してみたら、WFFSキャリアのハノーヴァーのスタリオン、たしかに多い!しかも、ドイツは馬種ごとの管理組織や大規模なスタリオン・ステーションによる全頭検査は未施行で、以前に発覚したのは国外のスタリオン・ステーションやオーナーによる自己検査によるものだから、実際数はさらに多いはずと思われる。

・ロンドンデリー(父ローリーズクルセイダー、子ロンドンタイム、孫ブルーホース・ロンドナー)
・ドン・フレデリコ
・コネセール
・フォーシュアー
・トータルUS

 また、両親のいずれかがハノーヴァーというのが、

・ボッティチェリ(父がハノーヴァーのベネトンドリーム)
・ブルーホース・エミリオ(母がハノーヴァー、母の父ローリーズクルセイダー<ロンドンデリーと同じ>)

 ついでに、オルデンブルグ種も、かなり怪しい気がしてきた…

・ブルーホース・ヴェネツィアノ

 ドナホール(オルデンブルグ、しかし父はハノーヴァー、超有名スタリオン)が臭い…

・ボッティチェリ(母方と父方で、それぞれドナホール×Dunjaの娘の組み合わせ)
・コネセール(母の父ドナホール)
・フォーシュアー(5世代中にドナホール×3)
・ドン・フレデリコ(父ドナホール)
・ブルーホース・ヴェネツィアノ(父ドナホール)
・スコヴェンズ・ラファエル(祖父父ドナホール…ただし祖父ドン・シュフロは検査結果シロ)
・スプリングバンクⅡ(ラファエルの子、母祖父ドナホール…母父はデニーロ)(スプリングバンクはドナホールの3×4になるわけ。ついでにローディアマントも3×3)
・トータルUS(母がドナホールの3×3<サー・ドナホールとドン・シュフロ>)
・ハバンナ(父ヴィヴァルドの祖母父)

 ドナホールだらけ。それにしても煮詰まってるな…
 これでほんとにドナホールがクロとなったら、ドイツが頑として調査を拒んだ理由もわかるというもの。

 また、ホルスタイン種のエル・コロナはほぼ間違いなくキャリア。

・コス(ヘルデルラント種だけどオランダ温血種のスタリオンとして大成功、その父)
・エヴァーデール(祖母の父)
・アパッチ(祖母の祖父。アパッチは異父妹がキャリアだから、母系の遺伝のはず)
・ハバンナ(父ヴィヴァルドの母父モンテクリストの父。モンテクリスト、ヴィヴァルドもキャリアの疑い濃厚だな)

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