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2018年12月 7日 (金)

ザ・レッスン

 これまた一般の「バレエ」の概念からは程遠い、奇妙な、不条理芝居めいたバレエ、「ザ・レッスン」。

 黄色い陽気なレオタードに身を包んだかわいい女生徒が、なんだか精神的に不安定そうな男性バレエ教師にバレエのレッスンを受ける。その二人のレッスンの伴奏をつけるのは、どこかよそよそしげな女性ピアニスト。

 「ザ・レッスン」は半時間ばかりの一幕もので、舞台の転換とかはないけれど、動画の部分は前半の一場面。バレエ教師が生徒にバーレッスンを指導しているうち、だんだん素振りが怪しくなっていくところ。

 

 これは英ロイヤル・バレエ、教師役がヨハン・コボー、生徒役がアリーナ・コジョカル。このペアのここの演技はたいそう素敵で、コジョカルは無邪気なかわいい生徒そのものだし、コボーは妙にビクビクオドオドした不審な教師。生徒が開脚しすぎてイテーという顔になったり、教師が指導中に生徒の胸に触りそうになりアワワ〜となったりするのは、ダンスの振り付けのようなもので誰が演じても同じことをするのだけど、このペアのがいちばんコミカルでいい感じ。これが途中から、次第に不安げな、荒々しい雰囲気に変わっていく…コメントに「最後まで見てみたい!」という意見があるのももっともで、私も見られるものなら最後まで見てみたい(もっとも、最後は、えらいことになるのだけど)。

 こちらはボリショイ、教師がドミトーリィ・グダーノフ、生徒がニーナ・カプツォーワ。こちらもかわいい生徒だけど、この場面に関してはコジョカルに負けるかな…が、色気では勝るので、教師が生徒の太腿の魅惑に心のバランスを失いかけるところでは、説得力が上かも^^;グダーノフの先生は、コボーよりずっと地味な感じだけど、生徒に密着して肩にアゴを乗せるところがなにげにいやらしい。それと、バーレッスンの時の動きが水際立って美しくてビックリ、さすが先生。

 それからこれは、画像が悪い(1998年)けど始まりから前半部分ぜんぶの動画。先生がセルゲイ・フィーリン、生徒はインナ・ペトロワ(この御両人はもとご夫婦だとか)。ボリショイかな…
 先生の登場の前、生徒が授業を待ちかねて嬉しげに1人で踊る場面で「それだけ踊れたら習わなくていいじゃん」と突っ込みたくなるのはお約束。
 で、先生役のフィーリンはどうかというと、これが見るからに変質者。コボーやグダーノフのは、まだしも一見常人に見えたけど、フィーリンのはもう最初っから100%ヤバい…と思っていたら、これが後半になるとさらにエスカレートする!もう、鬼ですよ、鬼畜生。最初の変質者ぶりがおとなしくマジメに見えるくらい。
 これ、画像が荒くてモノクロなのが、いっそう怖く見せてるんだろうな…精細なカラーだと芝居臭かったり仰々しく見えたりする部分もあるのだろうけど、画像の粗さがうまくそれを隠して、かえって一種の味わいというか、陰惨な空気を出している。何にしろ、この先生が、別の場所じゃ白鳥のプリンスであるとは到底思えない感じ^^;

 その怖い後半と、このレッスンの結末が如何に相成るかを見届けたい方は、こちらをどうぞ。

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